赤方偏移
 

赤方偏移から距離を求める方法について、もう少し具体的に示しますと以下のようになります。

例えば、準恒星状天体のクェーサーー3C273の場合、この天体のスペクトルを調べると、通常、水素原子の輝線スペクトル(Hα線)の波長は、6563Åですが、このクェーサーの場合は、7613Åにズレていることが分かりました。

これは、天体が、地球から遠ざかっていることによる光のドップラー効果のために、波長が引き伸ばされたことになります。

この波長が伸びる割合が赤方偏移で、この場合のZ(赤方偏移)は(7613Å/ 6563Å)−1=0.16となります。

また、光のドップラー効果の式から、Z+1=√(1+v/c)/√(1-v/c)の関係があり、Zに0.16 、c(光の速度)に300000km/sを代入して、v(後退速度)を求めると44000km/sになります。

すなわち、この天体は、地球に対して44000km/sの速度で遠ざかっていることになります。

一方、エドウィン・ハッブルは、遠くの銀河ほど、早い速度で遠ざかっていることを発見し、

V(天体の後退速度)=H(ハッブル定数)×r(天体の距離)として、宇宙は膨張していることを示しました。

ハップル定数は、誤差はありますが、50〜100(単位はkm/s/Mパーセク)の範囲だろうとされています。

クエーサー3C273の距離を決定するのに、ハッブル定数に60を用いると、

距離r=V/H  V:44000(km/s) H:60(km/s/Mパーセク)を代入すると

 距離r=733Mパーセクとなります。バーセクから、光年の変換係数の3.26を掛けると、733×3.26×10=24億光年となります。
このようにして、クエーサー3C273の距離は、約24億光年となります。
PS. 最新の研究では、宇宙背景放射の解析結果から、ハッブル定数は、71と推定されています。